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- 2009年12月31日
「白石どぎゃんしたと?向こう側の通りば、さっきからじっと見よるね」
「うん、あそこ歩いてるおじいちゃんとおばあちゃんがな」
「?あの老夫婦?知り合い?」
「ちゃうよ。手繋いでて可愛いなぁ思っただけ」
「あぁ。良かね、俺も年取っても嫁さんとあんなふうに手ば繋いで歩きたか」
「……嫁さん?」
「うん」
「…へぇ、せやったら可愛い嫁さんもらわなアカンな」
「嫁さんならもう居るとよ」
「は?」
「あれ?意外な反応ばい」
「俺の事なん?」
「あぁ、そっか。白石は嫁さんではなかね。男やけん旦那?」
「……」
「白石?」
「お前、時々可愛い事言うな」
「うん。白石も時々可愛い反応しよるね。今、耳まで真っ赤」
「……アホなコト言うな。耳触んな。いっぺん死ね」
「うんうん、2人で84くらいまで生きて死のうな」
「なんやその半端な年齢。どうせやったら100までとか言えや」
「ははは、じゃあ2010年から俺らが100になるまでよろしく」
白石が予想外にひどい乙女になってしまった2009年12月31日の日記でした。
- 2009年12月16日
「……この自販機最悪や」
「ん?どないしてん」
「押したんと違う飲み物出てきたんスわ」
「ははは、何が出てきたん?」
「珈琲、ブラック無糖。オレ、ブラック飲めへんのに」
「お前ホンマは何が飲みたかったん?」
「おしるこ」
「マジでか。缶のおしるこ飲む奴なんか居るんやなぁ」
「居るに決まってるやないスか。ケンカ売ってるんスか」
「ほなオレがおしるこ押しておしるこ出てきたらそのブラック無糖と交換な」
「へ?」
「おしるこ押してもう一回ブラック無糖出てきたらジャンケンして負けた方が自販機の管理会社に電話して巻き舌でクレーム付けるっちゅーコトで」
「謙也サン、ブラックなんか飲めるんスか?珈琲系飲んでるんコーヒー牛乳くらいしか見たコトないんやけど」
「アホ。フツーに飲めるわ。謙也サンは財前クンと違てオトナっちゅー話や」
「うっわ、なんか腹立つんスけど。ウザイんスけど」
「はいはい、せーの、ぽちっとな」
「掛け声古いっスわ」
「お、きたきた!おしるこ来た!」
「え」
「ほら財前、おしるこ!交換!」
「……」
「どないしてん」
「………珈琲ぬるくなったし、それもオレが買うんで謙也サンは自分の分もう一回、」
「オレ猫舌やし」
「……」
「はよ受け取れや。おしるこの缶くそ熱いねんから」
「あ、ありがとう」
「よくできました」
「……なんやそれ」
- 2009年11月20日
「もう11月やなぁ。なんやあっという間やった気するわ」
「お。そういやユウジ、今年の小春の誕生日はどうしたん?」
「あぁ、月曜?学校休んで会いに行った」
「あー!やから月曜日学校来てへんかったんか!お前のクラスでインフル出たって聞いてたからお前もアホのクセに風邪引いたんやと思って心配したんやぞ。連絡せえや」
「なんやとボケンヤ。ちゅうかオレ白石には連絡したで」
「うん、連絡もろたで」
「えええ、ちょ、言えや白石!ユウジどうしたんやろなー、って訊いたら“病気やろな”て言うたやんけ!」
「嘘は吐いてへん」
「そうそう、オレは小春に会うたあの瞬間から恋の病やからな。不治やからな」
「開き直るんかい!なんでそんな誇らしげやねん」
「オレの今までの人生で一番の正しい選択と呼べるものがあるとすれば其れは即ち小春を愛したコトやからや」
「あ、ユウジ今のセリフ格好良かった」
「え、え、マジで?」
「うんうん、同窓会で会う度にネタにされる殿堂入りレベルの格好良さやった」
「えー、そんな誉めんなや白石ぃー」
「いやいやいやユウジ、今のサクッとバカにされてるからな」
「勝手な事言わんといて、謙也。俺の眼を見てみ。これが人をバカにしてる人間の眼か?」
「「半笑いやないか」」
- 2009年11月19日
「どのセンセも用事頼む時はいつでもウチら2人をセットにするわね」
「えぇやんけ。オレは小春と一緒やったらいつでも何処でもなんでも楽しいわ」
「イヤやわぁ一氏。ウチらの一心同体少女隊修行はもう終わってんねんで」
「分かってるけど修行終わっても人生終わるまでは小春と一緒がえぇなぁ」
「あらやだキモいくらい情熱的」
「誉めんなや小春ぅ」
「誉めてへん」
「ははは」
「ユウくん」
「ん?なになに?」
「ユウくん、自分では分かってへんかもしれへんけどね」
「うん?」
「ユウくんは、可愛い顔してるわよ。格好良いと思う」
「え?何や小春、急に」
「ユウくんは面白い子や」
「オレなんか1人やったら全然おもろないで」
「頭かて悪くない」
「何言うてんねん。オレめっちゃアホやんけ」
「そう思うのは、ボクが隣に居たからよ」
「いやまぁそれは有るかもしれんけど」
「ユウくんは、女の子にもモテる」
「いやいやいや、オレ今まで一回も女子にモテたコトなんか」
「それも、ボクが隣に居たから。ボクがずっと隣にいたから女の子が近寄れへんかっただけ。ユウくんを好いてる女の子がいる事、ボクは知ってた」
「え、そうなん?」
「そうなんよ。ずっと黙っとったけど」
「うぇーそうなんかー。よっしゃ、とりあえず財前に自慢しとこ。鼻で嗤われそうやけど」
「あのね、ユウくん」
「うん?」
「ユウくんは、ボクと居る事ですごく損をしとるよ」
「損?」
「これからもボクと居れば、更に損をするよ」
「なんでそんなコト言うん?小春」
「ホンマの事やからよ」
「そうやなくて」
「ユウくんの事が嫌いやからよ」
「これ以上オレと一緒に居たくないから?」
「そう」
「オレが小春小春って纏わりつくのにもう耐えられへんから?」
「そうよ。卒業したらきれいサッパリお別れ出来るようにわざわざこんなしんきくさい話を今の内からしてるんよ。もうユウくんなんて呼ぶんもこれが」
「小春」
「何?」
「小春は時々アホやなぁ」
「何言うてんの?」
「オレ、周りのヒトのコトよう見てるけど小春のコトはその何百倍も見てるねん。せやから大丈夫や」
「何が大丈夫なんや」
「小春がオレのコトちゃんと好きなん知ってるから、そんな泣きそうな顔で嘘吐かんでも、大丈夫や」
「変な事言うな。泣きそうな顔なんかしてへん」
「泣きそう顔してへんから泣きそうなんやろ」
「…………ユウくんは時々生意気やね」
「小春はツンデレやな」
「そんな単語、ウチ以外の誰に習ったのよ。
――――浮気か」
「はは、死なしてくれる?」
「ふん、あほユウジ」
- 2009年11月11日
「なぁ侑士、あの女子高生めっちゃスカート短い」
「ホンマや。歩くたびにパンツ見えとるなァ」
「なんで折角見えてるのにあんまり嬉しくないんやろ」
「当たり前やろ。あんだけ丸出しにされとったらアリガタミが無いわ」
「ありがたみ?」
「ええか、謙也。これは希少価値の問題やねん」
「希少価値?」
「あの女子高生のパンツがスライムやとすると美人秘書のタイトスカートの奥に潜むパンツははぐれメタルや」
「なるほど」
「見えそうで見えへんならともかく、あんなに見えまくりやとなんの感慨も無いっちゅう事や。チラリズムっちゅうヤツやな」
「……なるほど。納得した。納得したけど」
「けど、なんや」
「我が従兄弟ながら、侑士って喋ってる内容なかなかキモいよな」
「一皮剥けばお前も俺と同類やで」

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